「外壁だけのつもりだったのに、屋根も一緒にどうですかと勧められた」——これは営業トークである場合もありますが、
多くの家では合理的な提案です。
理由は屋根の状態ではなく、足場にあります。
このページでは、同時に塗ると実際いくら得なのかを、金額で示します。
結論:屋根の追加分は22〜29万円(30坪の場合)
| 延べ床 | 外壁のみ | 外壁+屋根 | 屋根の追加分 |
|---|---|---|---|
| 25坪 | 52〜80万円 | 70〜104万円 | 18〜24万円 |
| 30坪 | 63〜96万円 | 85〜125万円 | 22〜29万円 |
| 35坪 | 73〜112万円 | 99〜146万円 | 26〜34万円 |
| 40坪 | 84〜128万円 | 113〜166万円 | 29〜38万円 |
※ラジカル塗料・税別
30坪なら、22〜29万円の追加で屋根まで塗れるという計算です。
なぜ安く追加できるのか
屋根を単独で塗る場合、こういう内訳になります。
| 項目 | 30坪の目安 |
|---|---|
| 足場・飛散防止ネット | 8〜18万円 |
| 高圧洗浄 | 1万円前後 |
| 屋根の塗装(3回塗り) | 20〜26万円 |
| 諸経費 | 数万円 |
つまり屋根単独だと、塗装そのものより先に足場代8〜18万円が乗るわけです。
外壁と同時なら、足場はすでに組んであるので、この8〜18万円が丸ごと不要になります。
これが「一緒にやると得」の正体です。
数年後に別々でやると、どれだけ損か
30坪の家で、外壁を今、屋根を5年後に塗るとします。
- 同時にやる場合:85〜125万円
- 別々にやる場合:外壁63〜96万円 + 屋根単独(足場込み)30〜47万円 = 93〜143万円
差額はおおよそ8〜18万円。ちょうど足場代1回分です。
しかも工事のたびに、近所への挨拶・洗濯物が干せない期間・在宅の手配が2回発生します。
それでも「今は外壁だけ」でいい場合
正直にお伝えすると、全員にセットを勧めるのは間違いです。
1. 屋根がまだ新しい スレート屋根なら初回の塗り替えは築10年前後が目安。
築5〜7年で屋根まで塗る必要はありません。
2. 屋根が「塗らない材質」 瓦屋根(陶器瓦・和瓦)は塗装が不要です。
釉薬で焼き固めてあるため塗膜に頼らないからです。必要なのは漆喰の補修やズレの調整で、塗装ではありません。
瓦屋根なのに「塗りましょう」と言う業者には理由を確認してください。
一方、スレート(カラーベスト・コロニアル)、トタン・ガルバリウムなどの金属屋根は塗装が必要です。
3. 屋根の傷みが塗装で直る段階を超えている 割れや雨漏りがある場合、
塗装ではなくカバー工法や葺き替えの検討が要ります。
塗ってごまかすと、あとで下地が腐ります。
屋根塗装で追加確認したいこと
- 縁切り(タスペーサー)をするか — スレート屋根は塗装で屋根材の隙間が塞がることがあり、そのままだと雨水が抜けず雨漏りの原因になります。この隙間を確保する作業を縁切りといいます。見積書に入っているか確認してください
- 屋根用の塗料か — 外壁用とは別の塗料を使います
- 遮熱塗料の効果 — 屋根では体感しやすいとされますが、断熱材の代わりにはなりません(→ 塗料グレード比較)
同時施工を業者に伝えるときのポイント
「外壁と屋根、一緒にやったらいくらか」を業者に聞くときは、外壁と屋根それぞれの金額を分けて見積書に書いてもらうようにしましょう。「セット価格◯◯円」とまとめられてしまうと、実際に足場代がどれだけ浮いているのか分からなくなります。
あわせて、足場を一度しか組まないことを見積書や契約書にも明記してもらうと、後から「別途足場代」を請求されるトラブルを防げます。
屋根がまだ傷んでいない場合の判断
足場代が浮くとはいえ、屋根がまだ十分きれいな状態なら、無理に一緒に塗る必要はありません。
色あせ・コケの発生・塗膜の剥がれなど目に見える劣化がなく、築年数もまだ浅い場合は、外壁だけ先に済ませて屋根は次回の外壁塗装のタイミングに合わせる、という選び方も十分に合理的です。
まとめ
- 屋根の追加分は30坪で22〜29万円。単独でやるより8〜18万円(足場代1回分)得
- ただし瓦屋根は塗装不要。スレート・金属屋根は必要
- 屋根が築5〜7年なら、今回は外壁だけでよい
- スレートなら縁切り(タスペーサー)が見積書にあるかを確認
屋根や外壁だけでなく、ベランダ・屋上の防水層が劣化すると雨漏りの原因になることがあります。
防水塗装の必要性についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
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