北側の壁や日当たりの悪い場所に、緑色や黒っぽい汚れが広がっていることがあります。
「汚れているだけ」なのか、それとも塗装のサインなのか、気になるところです。
結論から言うと、コケ・カビ・藻そのものが外壁材を直接壊すわけではありません。
ただし、塗膜の防水機能が落ちているサインであることが多く、
放っておくと汚れの範囲が広がったり、雨染みにつながることがあります。
このページでは、生える原因、コケ・カビ・藻の違い、そして本当に効果がある対策を整理します。
なぜ生えるのか — 原因は「湿気」と「防水性の低下」
日当たりが悪い北面や、隣家との距離が近い面、庭木や地面に近い低い位置は、
湿気がこもりやすく、コケ・カビ・藻の温床になりやすい場所です。
また、塗装から年数が経ち、外壁表面の撥水性(水をはじく力)が落ちてくると、
表面に水分が残りやすくなり、汚れが定着しやすくなります。
新築や塗り替え直後の壁には生えにくいのは、このためです。
福岡の気候で見ると — 多いのは「梅雨の雨」
コケ・カビ・藻が育つのは、壁が濡れている時間が長いときです。福岡の気候を気象庁の平年値(1991〜2020年)で見てみます。
福岡の年間降水量は1,686.9mmで、東京(1,598.2mm)より少し多い程度です。違いが大きいのは梅雨どきで、6月と7月の2か月だけで548.7mm。年間の約3分の1がこの2か月に降り、東京の同じ2か月(324.0mm)の約1.7倍です。
湿度は6月・7月が75%、9月が73%と、梅雨から秋にかけて高くなります(年平均は68%)。湿度そのものは東京とほとんど変わりませんが、雨の量が多いぶん、日の当たらない北面や隣家と近い面は、乾くまでに時間がかかりやすくなります。
| 月 | 降水量(mm) | 平均湿度(%) |
|---|---|---|
| 1月 | 74.4 | 63 |
| 2月 | 69.8 | 62 |
| 3月 | 103.7 | 63 |
| 4月 | 118.2 | 64 |
| 5月 | 133.7 | 67 |
| 6月 | 249.6 | 75 |
| 7月 | 299.1 | 75 |
| 8月 | 210.0 | 72 |
| 9月 | 175.1 | 73 |
| 10月 | 94.5 | 68 |
| 11月 | 91.4 | 66 |
| 12月 | 67.5 | 63 |
| 年 | 1,686.9 | 68 |
見るタイミングの目安は、梅雨が明けて北面が乾いた晴れの日です。梅雨の前と見比べると、緑や黒の汚れが広がったかどうかが分かりやすくなります。
出典:気象庁「過去の気象データ検索」福岡の平年値(東京の数字も同じ検索の東京の平年値)
コケ・カビ・藻の違い
見た目が似ているため混同しがちですが、それぞれ発生しやすい場所に少し違いがあります。
| 種類 | 見た目の特徴 | 発生しやすい場所 |
|---|---|---|
| コケ | 緑色でビロード状に広がる | 日陰・北面・地面に近い低い位置 |
| カビ | 黒っぽい斑点状に点在する | 湿気がこもりやすい隅や目地まわり |
| 藻 | 緑〜黒っぽく、ぬめりのある膜状 | 雨がかかりやすく乾きにくい面 |
放置するとどうなるか
見た目が悪くなるだけでなく、時間が経って根を張るように表面へ食い込むと、
高圧洗浄だけでは落ちにくくなっていきます。
手で触ると白い粉がつくチョーキングが同時に出ている場合は、塗膜の劣化がさらに進んでいるサインの一つです。
あわせて確認しておくと安心です。
自分でできる対策、注意したいこと
軽い汚れであれば、柔らかいブラシと水洗いで落とせることもあります。
ただし、強くこすると塗膜を傷めてしまうことがあるため、ゴシゴシこすらないことが大切です。
高圧洗浄機を使う場合も、ノズルを外壁に近づけすぎない、目地や換気口に直接水を当てないなど注意が必要です。
自信がない場合は、無理をせず専門業者に相談したほうが安心です。
本当に効果がある対策は「塗り替え時の塗料選び」
一時的に洗浄しても、湿気がこもりやすいという環境そのものが変わらなければ、
コケ・カビ・藻は再発しやすくなります。
次に塗り替えるときに、防藻・防カビ機能がある塗料を選ぶことで、再発を抑えやすくなります。
どの業者に相談すれば安心かは、当サイトの調査方法もあわせてご確認ください。
まとめ
外壁のコケ・カビ・藻は、湿気がこもりやすい場所と、塗膜の防水性の低下が重なって発生しやすくなります。
軽い汚れなら優しく洗い流す程度にとどめ、再発を防ぐには次の塗り替えで防藻・防カビ塗料を選ぶのが効果的です。
チョーキングなど他の劣化サインも一緒に出ていないか、あわせて確認しておきましょう。
塗装と塗装の間にできる日常のお手入れについてはこちらの記事でまとめています。