外壁を手でなでたとき、指に白い粉がついた。これはチョーキング(白亜化)と呼ばれる現象です。
検索すると「劣化のサイン」「早めの塗り替えを」と書かれています。それ自体は間違いではありません。
ただ、チョーキングが出た=いますぐ工事、ではありません。
この違いを知らないまま業者に電話すると、必要のない工事を急がされることがあります。
このページでは、何が起きているのか、どのくらい急ぐべきか、そして判断を先延ばしにしてよい場合を書きます。
白い粉の正体は、塗料の「顔料」です
塗料は、色をつける顔料と、それを壁に固定する樹脂でできています。
紫外線と雨に何年もさらされると、樹脂のほうが先に分解されていきます。
すると顔料を抱えきれなくなり、粉になって表面に浮いてくる。これが白い粉の正体です。
つまりチョーキングは、塗膜が寿命に近づいたことを示す、いちばん分かりやすい合図です。
カビや汚れとは違い、洗っても消えません。
どのくらい急ぐべきか — 3段階で考える
チョーキングそのものは、雨漏りを起こす症状ではありません。
急ぐかどうかは、ほかの症状と一緒に出ているかで決まります。
【急がなくてよい】チョーキングだけが出ている 指にうっすら粉がつく程度で、ひび割れも目地の傷みもない。
この段階なら、次の春や秋まで待って、落ち着いて相見積もりを取れます。
塗り替えを検討し始める入口、という理解で十分です。
【1年以内に検討】チョーキング+目地の痩せ・ひび割れ シーリング(目地のゴム)にすき間や割れがある、
外壁に0.3mm以上のひび割れがある。ここから雨水が入り始めます。1年以内に見てもらってください。
【早めに相談】チョーキング+塗膜の膨れ・剥がれ 塗膜が浮いている、めくれている。
すでに壁材が水を吸っている可能性があります。
塗装だけで済まないこともあるので、下地の状態から見てもらってください。
自分で確かめる方法
道具はいりません。
- 乾いた日に確かめる。雨上がりは粉が流れて出ないことがあります
- 手のひらではなく、黒っぽい布や紙でなでる。白い粉は暗い色の上でよく見えます
- 南面と西面から確かめる。日当たりが強い面から先に進みます。北面がきれいでも安心材料にはなりません
粉が「うっすら」なのか「はっきり手が白くなる」のかで、進み具合が変わります。
写真を撮っておくと、業者に説明するときに役立ちます。
訪問販売が、いちばん使う言葉です
「壁を触ると粉がつきますよね。もう限界です」
これは訪問販売でよく使われる入口の言葉です。事実として粉は出ているので、言われた側は否定できません。
そこから「今日契約なら足場代サービス」へつながっていきます。
くり返しますが、チョーキングだけなら急ぐ症状ではありません。
その場で契約せず、「息子(娘)に相談してから決めます」で切ってください。
- 福岡市消費生活センター 092-781-0999
- 消費者ホットライン 188
(→ 点検商法への対処・点検商法への対処/クーリング・オフの手順・クーリングオフの手順)
次に塗るとき、チョーキングを起きにくくできます
塗り替えのときに塗料を選び直すことで、次までの期間を延ばせます。
- ラジカル塗料は、チョーキングの原因になる反応を抑えるように作られた塗料です。シリコンからの価格の上がり幅が小さく、耐用年数は12〜16年
- フッ素(15〜20年)・無機(18〜23年)はさらに長くもちますが、1回の金額は上がります
30坪の家で30年住む場合、
塗り替えの回数そのものが減るため、高い塗料のほうが総額は安くなる計算になります(→ 塗料グレード比較)。
ただし、10年以内に建て替えや売却の予定があるなら、シリコンで十分です。
よくある質問
Q. 粉がつくのを、洗って落とせませんか? 落ちません。表面を洗っても、下から同じ状態の塗膜が出てきます。
高圧洗浄は塗装の前工程であって、それ自体が解決にはなりません。
Q. 築何年くらいで出ますか? 塗料と日当たり次第ですが、シリコン塗料で10年前後が目安です。
新築から一度も塗っていない家は、外壁材そのものの傷みも一緒に見てもらってください(→ 築年数ガイド)。
Q. 一部の面だけ塗ることはできますか? 技術的には可能ですが、
足場は建物全体に組むため費用の効率は悪くなります。
足場代は30坪で8〜18万円かかり、これは塗る面積に関係なく発生します。
Q. チョーキングと一緒にひび割れも見つかりました。優先順位は? チョーキングだけなら急ぎませんが、
ひび割れが同時にある場合は幅を確認してください。
目安として0.3mmを超える、または一直線に伸びているひび割れがあれば、
チョーキングより優先して見てもらうサインです(→ ひび割れの危険度の見分け方)。
まとめ
- 白い粉=塗膜の寿命が近いサイン。ただしそれだけなら急ぎではない
- 目地の痩せ・ひび割れ・塗膜の剥がれと一緒に出ていたら、早めに見てもらう
- 乾いた日に、黒い布で、南面から確認する
- 「粉がついてますよね」は訪問販売の常套句。その場で契約しない
- 次に塗るときはラジカル以上を検討。ただし住む年数で決める
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