「外壁塗装は10年ごと」とよく言われます。
これはシリコン塗料を使った場合のおおよその目安であって、すべての家に当てはまる数字ではありません。
実際に決まるのは、塗料の種類と外壁材の種類、そして日当たりの3つです。
同じ築15年でも、いま塗るべき家と、あと5年待てる家があります。
このページでは、築年数ごとに「そのとき何を判断するのか」を整理します。
金額は30坪・外壁のみで63〜96万円、屋根も一緒なら85〜125万円が福岡市の目安です(→ 相場ガイド)。
まず、前回いつ塗ったかを思い出してください
築年数ではなく、前回の塗装からの経過年数が本当の基準です。
- 新築から一度も塗っていない → 築年数=経過年数
- 一度塗っている → その工事からの年数で考える
前回の見積書か契約書が残っていれば、使った塗料の商品名が書かれています。
これが分かると次の判断がとても楽になります。見つからない場合は、次の表の「外壁材から考える」を使ってください。
築10〜15年 — 1回目。ここで塗料を上げると得をする
やること:初めての塗り替えの検討
新築時に使われる塗料は、コストを抑えたグレードのことが少なくありません。
10年前後でチョーキング(触ると白い粉)が出始めます(→ チョーキングについて)。
この時期の家は下地がまだ健全なことが多く、余計な補修費がかかりません。
だからこそ、ここで耐久性の高い塗料に切り替える価値がある時期です。
| 塗料 | 耐用年数 | 次の塗り替えは |
|---|---|---|
| シリコン | 10〜15年 | 築25年前後 |
| ラジカル | 12〜16年 | 築27年前後 |
| フッ素 | 15〜20年 | 築30年前後 |
| 無機 | 18〜23年 | 築33年前後 |
足場代(30坪で8〜18万円)は塗料に関係なく毎回かかります。 塗り替えの回数を減らせば、
その分まるごと浮きます(→ 塗料グレード比較)。
築20〜25年 — 2回目。塗装より「目地」が主役
やること:シーリング(目地)の打ち替え+塗装
サイディングの板と板のあいだにあるゴム状の充填材を、シーリングといいます。これは塗料より先に寿命が来ます。
痩せて隙間ができたり、切れたりします。
ここから雨水が入ると、外壁材の裏側や下地の木が濡れます。
塗装は表面を守る工事なので、目地が切れたまま塗っても水は止まりません。
見積書では「シーリング打ち替え」「コーキング打ち替え」という別項目になります。
「増し打ち」(古いものの上に足す)ではなく「打ち替え」(撤去して入れ直す)になっているかを確認してください。
金額そのものより、この言葉の違いが大事です。
この時期は、屋根も一緒に塗るかを決めるタイミングでもあります。
足場を1回で済ませられるため、別々に頼むより22〜29万円の追加で屋根まで終わります(→ 屋根セットの費用)。
築30年以上 — 3回目以降。「塗るか、張り替えるか」
やること:外壁材そのものの診断
このあたりから、判断が塗装の外に出ます。
- 外壁材が反っている、浮いている
- 触ると柔らかい、押すとたわむ
- 何度も補修したひび割れが、また開いている
こうなっていると、塗膜が20年もっても、その下の壁材が先に寿命を迎えます。
塗装ではなく、張り替え(サイディングの重ね張り・張り替え)の検討範囲です。
福岡市の公式データでも、
木造一戸建てで「腐朽・破損あり」の割合は東区21.5%、早良区15.1%、西区12.5%と、
郊外部で高く出ています(福岡市空家等対策計画)。
築年数が進んだ家が多い地区ほど、塗る前に下地を見てもらう意味が大きくなります。
「塗れば直りますよ」とだけ言う業者ではなく、下地の状態を先に説明してくれる業者を選んでください。
外壁材によって、周期は変わります
前回の塗料が分からないときは、外壁材から考えます。
窯業系サイディング(いまの家でいちばん多い) 目地のシーリングが弱点。
塗装の周期より、シーリングの寿命に合わせる発想が要ります。
モルタル(築30年以上の家に多い) ひび割れが出やすい壁材です。
ひびの幅が0.3mmを超えると、下地補修を含めた工事になります。
ALCパネル 吸水しやすいため、塗膜が切れた状態で放置しないことが特に大事です。
金属サイディング(ガルバリウムなど) サビが最大の敵。
海に近い地区では特に、ケレン(サビ落とし)と錆止めが工程に入っているかを確認してください。
屋根は、外壁と周期が違います
屋根は日当たりと雨をまともに受けるため、外壁より早く傷むのが普通です。
そして重要な点として、瓦屋根(粘土瓦)は塗装が不要です。瓦そのものは塗らなくてももちます。
傷むのは瓦を留める漆喰や下の防水シートなので、
「瓦を塗りましょう」という提案は、必要性を必ず確認してください(→ 屋根セットの費用)。
塗装が必要なのは、スレート(コロニアル)・セメント瓦・金属屋根です。
「まだ大丈夫」で待っていい家、待てない家
待っていい チョーキングだけ/目地とひび割れがまだ健全/北面中心に軽い汚れ
待てない 目地が切れている/ひび割れから雨のあと壁が濡れる/塗膜が膨れている・剥がれている/室内の壁紙に浮きやシミがある
待てない側に1つでも当てはまるなら、季節を待たずに見てもらってください。 逆に、待っていい側だけなら、
春(3〜5月)か秋(9〜11月)に落ち着いて2〜3社から見積もりを取るのがいちばん得です(→ 相見積もりの取り方)。
塗り替えのタイミングとあわせて、塗料のグレード(ウレタン・シリコン・フッ素など)の違いを知っておくと、
次の塗り替えでどのグレードを選ぶか検討しやすくなります。
まとめ
- 基準は築年数ではなく前回の塗装からの年数
- 築10〜15年=1回目。下地が健全なうちに塗料を上げると総額が下がる
- 築20〜25年=シーリングの打ち替えが主役。「増し打ち」ではなく「打ち替え」
- 築30年〜=塗るか張り替えるか。下地の診断から
- 瓦屋根は塗装不要。提案されたら理由を確認
劣化のサインについてもっと詳しく
外壁の劣化は築年数だけでなく、実際に出ている症状からも判断できます。
コケ・カビ・藻の発生(コケ・カビ・藻の原因と対策)、色あせ・変色(色あせが起こる理由)、
塗膜の膨れ・剥がれ(膨れ・剥がれの緊急度)などは、築年数の目安より早く現れることもあります。
雨漏りとの関係が気になる方はこちらの記事、新築の場合の塗装時期はこちらの記事も参考にしてください。
外壁の種類によっても目安は変わる
耐用年数は、外壁材の種類によっても違いがあります。
サイディングの特徴はこちら、モルタル外壁のひび割れについてはこちら、
ALC外壁についてはこちら、遮熱・断熱塗料の効果についてはこちらの記事でそれぞれ解説しています。
福岡の塗装屋さんを、建設業許可の番号つきで比較できます。