「見積もりをもらったけど、この金額が高いのか安いのか分からない」——外壁塗装で一番多い悩みは、実はこれです。
ある調査では、訪問業者から見積もりを受けた人の45.7%が「金額が適正かどうか、自分では判断できなかった」と答えています。
「高すぎると感じた」人(28.6%)より多いのです。
このページでは、福岡の戸建て(2階建て)を前提に、
外壁塗装の相場を「合計いくら」だけでなく「なにに、いくらかかるのか」まで分解してお伝えします。
手元に見積書がある方は、照らし合わせながら読んでみてください。
ご自宅のめやすは、3つ選ぶだけで分かります。
結論:福岡の外壁塗装の相場は、30坪で63万〜96万円
もっとも一般的な「延べ床30坪・2階建て・ラジカル塗料・外壁のみ」で、63万〜96万円が目安です。
屋根も一緒に塗る場合は85万〜125万円になります。
| 延べ床 | 外壁のみ | 外壁+屋根セット |
|---|---|---|
| 25坪 | 52〜80万円 | 70〜104万円 |
| 30坪 | 63〜96万円 | 85〜125万円 |
| 35坪 | 73〜112万円 | 99〜146万円 |
| 40坪 | 84〜128万円 | 113〜166万円 |
※税別。壁の傷み具合・形状・立地で変動します
幅があるのは、業者の施工体制(自社施工か下請けか)や、下地の傷み具合で数十万円動くためです。
この範囲から大きく外れる見積もりは、上振れでも下振れでも理由を確認するのが安全です。
内訳:あなたの払うお金は、こう分かれている
30坪(塗装面積 約119㎡)・ラジカル塗料・外壁のみの場合の内訳です。
| 項目 | 単価の相場 | 30坪の目安 | ひとこと |
|---|---|---|---|
| 足場・飛散防止ネット | 700〜1,500円/㎡ | 8〜18万円 | 省略できない。「足場無料」は他に上乗せされているだけ |
| 高圧洗浄 | 150〜200円/㎡ | 1.8〜2.4万円 | 汚れの上に塗ると早く剥がれる |
| 養生 | 250〜350円/㎡ | 3〜4万円 | 窓・車・植木を塗料から守る |
| 下地補修 | 500〜1,000円/㎡ | 6〜12万円 | ひび割れ・コーキング。家の状態で増減 |
| 外壁塗装(3回塗り) | 3,200〜4,000円/㎡ | 38〜48万円 | 金額の中心。塗料名を必ず確認 |
| 付帯部・諸経費 | 小計の10〜15% | 6〜13万円 | 雨どい・軒天・破風、現場管理費など |
| 合計 | ― | 63〜96万円 |
塗装面積は「延べ床坪数×3.3×1.2」で概算できます。30坪なら約119㎡です。
見積書の面積がこの前後から大きく外れていたら、根拠を聞いてみてください。
工程ごとに、何にお金がかかっているのか
内訳の表だけでは、どこを削ると何が起きるのかが分かりません。工程ごとに、その費用が何のためにあるのかを書いておきます。見積もりを比べるときは、金額より先に「この工程が入っているか」を見てください。
足場(30坪で8〜18万円)
2階建ての外壁を、上から下まで同じ力で塗るために要ります。はしごや脚立で済ませると、届きにくい場所の塗りが薄くなります。飛散防止のシートは、隣家の車や洗濯物を守るためのものです。足場は削れない費用で、「無料」と言われたらどこか別の項目に乗っています。
高圧洗浄(30坪で1.8〜2.4万円)
チョーキングの粉、コケ、カビ、古い塗膜を落とします。ここを省くと、汚れの上に塗ることになり、数年で剥がれます。洗浄のあとは丸1日ほど乾かす必要があり、この待ち時間を飛ばす会社は工程を削っています。
養生(30坪で3〜4万円)
窓・玄関・車・植木・室外機を、塗料が付かないように覆います。地味な工程ですが、ここが雑だと窓のサッシに塗料が飛び、あとから落とすことになります。養生の期間は窓が開けられません。洗濯物や換気の相談は、着工前にしておくと楽です。
下地補修・コーキング(30坪で6〜12万円)
ひび割れの補修と、サイディングの目地に入っているゴム状の材料(コーキング)の打ち替えです。家の状態でいちばん金額が動く工程で、見積もりの差が出やすいところでもあります。コーキングを既存の上から足すだけ(増し打ち)か、撤去して入れ直すか(打ち替え)で費用も持ちも変わります(→コーキングの打ち替えと増し打ちの違い)。
外壁塗装 3回塗り(30坪で38〜48万円)
下塗り・中塗り・上塗りの3回で1セットです。下塗りは壁と塗料を密着させる接着剤の役目で、これを省くと色は付いても数年で浮きます。見積もりに「3回塗り」と書かれているか、塗料の商品名が書かれているかを確かめてください。金額のいちばん大きい項目なので、ここを薄くすれば総額は簡単に下がります。
付帯部・諸経費(小計の10〜15%)
雨どい、軒天(のきてん)、破風(はふ)、雨戸などの細かい部分と、現場管理費・運搬費などです。付帯部を塗らない見積もりは安く見えますが、外壁だけ新しくなって周りが色あせたまま、ということになります。どこまで塗るのかを、着工前に一覧で確認してください。
塗料で値段はどう変わる?(30坪・外壁のみ)
| 塗料 | 総額の目安 | 耐用年数 | 1年あたり |
|---|---|---|---|
| シリコン | 57〜84万円 | 10〜15年 | 約4.6〜6.7万円 |
| ラジカル | 63〜96万円 | 12〜16年 | 約4.5〜6.9万円 |
| フッ素 | 76〜103万円 | 15〜20年 | 約4.3〜5.9万円 |
| 無機 | 80〜117万円 | 18〜23年 | 約3.9〜5.7万円 |
ここが大事なところです。
総額はいちばん高い無機塗料が、「1年あたり」で見るといちばん安い——シリコンの約4.6〜6.7万円に対し、
無機は約3.9〜5.7万円です。
理由は単純で、塗り替えの回数が減るからです。シリコンで10年ごとに塗り替えると、30年で3回。
無機なら20年もつので30年で1.5回分。足場代(8〜18万円)も、塗り替えのたびにかかります。
ただし、10年以内に建て替えや売却の予定があるなら、その分を先払いする意味はありません。
「あと何年その家に住むか」で選ぶのが正解です。
坪数別の早見表(20坪〜50坪)
上の30坪は、福岡でいちばん多い広さです。ご自宅の延べ床坪数が違うときは、下の表を見てください。塗装面積は「延べ床坪数 × 3.3 × 1.2」で概算しています(1階と2階の外周の差や凹凸を見込んだ係数です)。金額はすべて税別で、足場・高圧洗浄・養生・下地補修・外壁塗装・付帯部・諸経費を含みます。
| 延べ床 | シリコン | ラジカル | フッ素 | 無機 |
|---|---|---|---|---|
| 20坪 | 38〜56万円 | 42〜64万円 | 51〜69万円 | 53〜78万円 |
| 25坪 | 48〜70万円 | 52〜80万円 | 63〜86万円 | 66〜97万円 |
| 30坪 | 57〜84万円 | 63〜96万円 | 76〜103万円 | 80〜117万円 |
| 35坪 | 67〜98万円 | 73〜112万円 | 88〜120万円 | 93〜136万円 |
| 40坪 | 77〜112万円 | 84〜128万円 | 101〜138万円 | 106〜156万円 |
| 45坪 | 86〜126万円 | 94〜144万円 | 114〜155万円 | 120〜175万円 |
| 50坪 | 96〜140万円 | 105〜161万円 | 126〜172万円 | 133〜195万円 |
屋根も一緒に塗る場合は、足場が1回で済むぶん割安になります。屋根の面積は外壁のおよそ55%、屋根用塗料は外壁用の9割ほどの単価で計算しています。
| 延べ床 | シリコン | ラジカル | フッ素 | 無機 |
|---|---|---|---|---|
| 20坪 | 51〜71万円 | 56〜83万円 | 69〜90万円 | 73〜104万円 |
| 30坪 | 77〜106万円 | 85〜125万円 | 104〜135万円 | 110〜156万円 |
| 40坪 | 102〜142万円 | 113〜166万円 | 139〜180万円 | 147〜207万円 |
| 50坪 | 128〜177万円 | 141〜208万円 | 173〜225万円 | 183〜259万円 |
ご自宅の坪数と塗料を選ぶだけで同じ計算ができる料金シミュレーターも用意しています。この表の数字は、そのシミュレーターとまったく同じ式で出しています。
外壁と屋根、一緒に塗ると得なのはなぜか
30坪の例で見ると、外壁のみ63〜96万円に対し、屋根もセットで85〜125万円。
屋根の塗装が22〜29万円分で追加できている計算です。
もし数年後に屋根だけを別で塗ると、そのとき足場をもう一度組む(8〜18万円)ことになります。
屋根の塗り替え時期が近いなら、同時に済ませたほうが確実に安く上がります。
1回の安さで選ぶか、30年の総額で選ぶか
塗料の値段の差は、そのまま「何年もつか」の差です。1回の工事だけで比べるとシリコンがいちばん安いのですが、塗り替えは一度では終わりません。足場代は塗り替えのたびに必ずかかります。そこで、30年住み続けた場合の総額で並べ直すと、順番が入れ替わります。
| 塗料 | 1回あたり | 耐用年数 | 30年の総額 |
|---|---|---|---|
| シリコン | 57〜84万円 | 10〜15年 | 約137〜202万円 |
| ラジカル | 63〜96万円 | 12〜16年 | 約135〜206万円 |
| フッ素 | 76〜103万円 | 15〜20年 | 約130〜177万円 |
| 無機 | 80〜117万円 | 18〜23年 | 約117〜171万円 |
1回いちばん高い無機塗料が、30年で見るといちばん安くなります。シリコンとの差は最大で約30万円です。塗り替えの回数そのものが減るからです。
ただし、全員に高い塗料を勧めるのは間違いです。次のどれかに当てはまるなら、シリコンで十分です。
- 10年以内に建て替えや売却の予定がある — 30年住まないなら、30年分の性能を先に払う意味はありません
- いま手元の資金を優先したい — 1回の支払いは20〜30万円ちがいます。無理をしないのが正解です
- 外壁材そのものが傷んでいる — 目地やボードが先に寿命を迎えるなら、塗膜だけ20年もっても意味がありません
塗料ごとの特徴は塗料の種類を知るにまとめています。この表の数字も、同じ単価から計算したものです。
「思ったより高い」ときに疑うべき3つの上乗せ
- 訪問販売の営業経費 — 成約価格の2〜4割が営業マンの歩合というケースもあります
- 中間マージン — 大手に頼んでも、実際に塗るのは下請けの職人です
- 不要な高機能塗料のセット販売 — 遮熱・光触媒などが本当に必要か確認を
「安すぎる」ときに疑うべき5つの罠
塗料の希釈しすぎ/3回塗りを2回に/簡易な足場/「一式」表記からの追加請求/契約と違う塗料への差し替え。
詳しくは → 安すぎる見積もりの5つの罠
見積書はここを見る(チェックリスト)
- 塗装面積が「㎡」で書かれている(「一式」はNG)
- 工程ごとに単価が分かれている
- 塗料の商品名(メーカー名+製品名)が書かれている
- 3回塗り(下塗り・中塗り・上塗り)が明記されている
- 保証の年数と対象が書面である
詳しくは → 見積書のここを見る
福岡で営業している61社を、数えてみました
相場の記事は全国向けのものが多く、「福岡の会社が実際にどうなのか」は書かれていません。当サイトは福岡県内の塗装店を実名で掲載しているので、その61社を数えてみました。金額そのものではありませんが、見積もりを見比べるときに「普通はどのくらいか」を知る材料になります。
| 項目 | 該当 | 調べ方 |
|---|---|---|
| 建設業許可を確認できた | 61社(100%) | 国土交通省の名簿。2026年9月19日に全社の現存を再確認 |
| 自社施工と明記している | 29社(48%) | 各社の公式サイトの記述 |
| 一級塗装技能士が在籍 | 21社(34%) | 同上 |
| 創業10年以上 | 35社(57%) | 公式サイトの創業年・沿革 |
| 書面の保証年数を公開 | 12社(20%) | 公式サイトに保証書と年数の両方があるもの(ほかに「保証書は出さない」と明記が1社) |
| Googleのクチコミがある | 42社(69%) | Googleマップ。評点の中央値は4.9、クチコミは合計1,173件 |
| 瑕疵保険に登録 | 2社 | 公式サイトの記述 |
いちばん目を引くのは保証です。書面の保証年数を公開しているのは12社(20%)しかありません。内訳は10年以上が8社、5〜6年が3社、7〜9年が1社です。ほかに「当社は保証書を発行していません」とはっきり書いている会社が1社あります。残る48社は、サイトを読んだだけでは保証の中身が分かりません。見積もりのときに、口約束ではなく書面で確認してください。
自社施工を掲げているのは29社(48%)。およそ半分です。下請けに出す会社が悪いわけではありませんが、間に会社が入ればそのぶんの費用は見積もりに乗ります(→安すぎる見積もりの5つの罠)。
創業年が分かる40社でいちばん古いのは1948年(昭和23年)創業の会社で、中央値は2002年でした。福岡の塗装店は、地場で長く続いている会社と、ここ10年で独立した会社が混ざっています。
本店のある区・市町ごとの社数
これは本店の場所です。工事を受けている範囲はもっと広く、たとえば城南区で工事をしている会社は46社、宗像市でも23社あります。近所に本店がなくても、足を運んでくれる会社は見つかります。
ここまでの数字の調べ方は調査方法に書いています。各社のページでは、建設業許可の番号・創業年・保証年数・クチコミを1社ずつ並べて見られます。
福岡ならではの注意点
- 福岡市には外壁塗装に使える助成金はありません(→ 16市町を公式サイトで調べた結果)。「助成金が使える」広告には注意してください。塗装だけで使えるのは筑紫野市・那珂川市(各上限10万円)、中古住宅を買った世帯なら宗像市(最大30万円)です
- 塩害エリア(東区の海岸部・西区・糸島)は劣化が早め。耐候性の高い塗料と、金属部の防錆処理を
- 台風シーズン(8〜9月)前に足場を組む工事は、日程に余裕を見ておくと安心です
季節ごとの向き不向き(福岡の場合)
塗料は、気温と湿度によって乾き方が変わります。一般に気温5℃未満、湿度85%以上では塗らないのが塗料メーカーの決まりです。福岡でこれに当たりやすいのは、梅雨の雨の日と真冬の朝晩です。
- 梅雨(6〜7月) — 雨で乾燥待ちが入り、工期が延びやすい時期です。工事そのものは10日〜2週間が目安ですが、余裕を見ておくと安心です(→外壁塗装の工期はどれくらいかかるか)。
- 台風シーズン(8〜9月) — 足場の養生シートは風を受けるため、接近時には畳む対応が必要です。日程に余裕のある会社を選んでください。
- 春(3〜5月)・秋(10〜11月) — 気候が安定していて、いちばん人気のある時期です。裏を返すと予約が埋まりやすいので、1〜2か月前に動くと選べる会社が増えます。
- 冬(12〜2月) — 朝晩は冷えますが、福岡は日中に塗れる日が多く、日程を取りやすい時期でもあります。
急ぎでなければ、見積もりだけ先に取っておいて、工事は都合のいい時期に入れるのが現実的です。見積もりの有効期限は会社によりますが、1〜3か月で切られることが多いので、取るタイミングは工事の2か月前くらいが目安になります。
よくある質問
Q. 相見積もりは何社取ればいい? 2〜3社が現実的です。
実際、訪問業者の見積もりのあとにほかの会社とも比べた人の97%が10万円以上、55.6%が50万円以上の価格差を経験しています。
Q. 築何年で塗り替える? 一般には10〜15年ですが、外壁塗装を業者に頼んだことがある199人への調査(2024年)では、築15年を過ぎてから塗った人が66.3%でした。
「10年経ったからすぐ」ではなく、チョーキング(壁を触ると白い粉)などの症状で判断しましょう。
Q. 火災保険で直せると言われた 経年劣化は保険の対象外です。「保険で実質無料」を入口にする勧誘には注意してください(→ 火災保険の勧誘について)。
Q. 見積書の「外壁塗装一式」はどう見ればいい?
工程ごとに単価と面積(㎡)が分かれて書かれているかを見てください。「一式」でまとめられていると、何回塗るのか、どの塗料を使うのかが後から確かめられません(→見積書のここを見る)。
Q. 相場より安い会社は避けたほうがいい?
安い理由を説明できるなら問題ありません。自社施工で中間マージンが無い、閑散期で日程が空いている、といった理由は納得できます。危ないのは工程を減らしたための安さです(→安すぎる見積もりの5つの罠)。
Q. 保証は何年あれば安心?
当サイトの掲載61社のうち、書面の保証年数を公開しているのは12社で、10年以上が8社、5〜6年が3社、7〜9年が1社です。年数より、何が保証の対象か(塗膜の剥がれだけか、コーキングも含むか)と、発行元が施工会社か塗料メーカーかのほうが大事です。
Q. 自分の家の坪数が分からない
延べ床面積(㎡)を3.3で割ると坪数になります。図面か、毎年届く固定資産税の課税明細書に書かれています。おおよそでかまいません。料金シミュレーターなら坪数を選ぶだけで概算が出ます。
Q. 「足場代を無料にします」と言われた
足場は30坪で8〜18万円かかる実費で、無くせるものではありません。無料にできるということは、どこか別の項目に乗せてあるということです。総額で比べてください。
出典
- 適正判断できない45.7%・高すぎると感じた28.6%・価格差(10万円以上97%/50万円以上55.6%): Speee(ヌリカエ)調査(2026年6月24日発表。訪問販売をきっかけに外壁塗装を検討した人への調査、有効回答75件)
- 築15年を過ぎてから塗った人66.3%: 株式会社鶴亀「外壁塗装は何年ごとにする?」(2024年4月16日発表。外壁塗装を業者に依頼したことがある199人へのインターネット調査)
- 単価相場: 2026年8月時点の複数の公開相場データ
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