相見積もりを取ると、同じ家なのに数十万円の差が出ることがあります。
実際、
相見積もりをした人の97%が10万円以上、55.6%が50万円以上の価格差を経験しているという調査があります。
このとき「安いほうが得」とは限りません。
塗装は塗ってしまえば中身が見えなくなる工事なので、
安さの理由が「企業努力」なのか「削ってはいけないものを削った」のかを見分ける必要があります。
ここでは、安さの裏にある5つの典型パターンを説明します。
罠① 塗料を薄めすぎる(希釈しすぎ)
塗料はメーカーが希釈率(薄める割合)を定めています。
これを超えて薄めると、塗料の缶数が減る=材料費が下がる代わりに、塗膜が薄くなり耐久性が大きく落ちます。
数年で色あせや剥がれが出ます。
見分け方:見積書に塗料の商品名と使用量(缶数・㎡数)が書かれているか。
メーカーサイトで標準塗布量を確認できます。
罠② 3回塗りを2回で終える
下塗り・中塗り・上塗りが基本です。中塗りを省けば人件費と材料費が1回分浮きます。
しかし塗膜の厚みが足りず、本来10年以上もつ塗料が数年で劣化します。
見分け方:見積書に「下塗り・中塗り・上塗り」が明記されているか。
工程ごとの写真報告があるか(→ 業者DBの「工程写真」で絞り込めます)。
罠③ 足場が安すぎる(単管足場)
足場代は相場で700〜1,500円/㎡、30坪で8〜18万円ほど。
ここが極端に安い場合、作業性の悪い簡易な足場が使われている可能性があります。
足場が不安定だと職人が丁寧に塗れず、結果として仕上がりが落ちます。
注意:「足場代無料」をうたう業者もいますが、足場は必ずコストが発生します。
無料の分は他の項目に上乗せされているだけです。
罠④ 「一式」表記からの追加請求
契約時は安く、着工後に「これは一式に含まれていなかった」と追加費用を請求されるパターンです。
下地の傷みは開けてみないと分からない部分もありますが、追加が発生する条件を事前に書面で確認しておけば防げます。
確認する言葉:「追加費用が発生するのはどんな場合ですか。その場合、着工前に見積もりをいただけますか」
罠⑤ カタログと違う塗料への差し替え
契約書には高グレードの塗料が書かれているのに、実際には安い塗料が使われるケースです。
塗ってしまえば見た目では分かりません。
予防策:①塗料の空き缶を現場に残してもらう(または写真をもらう) ②メーカー発行の保証書を出してもらう。
どちらも、きちんとした業者なら快く応じます。
では、安い業者はすべて悪いのか
いいえ。正当に安くできる理由もあります。
- 自社施工:下請けに出さない分、中間マージン(15〜30%と言われます)がかからない
- 営業経費が少ない:訪問販売をせず、紹介と口コミで受注している
- 自社で足場を持っている:外注費が乗らない
つまり見るべきは「安いかどうか」ではなく、「なぜ安いのか説明できるか」です。
理由を聞いて、納得のいく答えが返ってくる業者は信頼できます。
適正価格の目安を知っておく
判断の物差しとして、まずご自宅の適正価格帯を知っておくと安心です。
ご自宅のめやすは、3つ選ぶだけで分かります。
この価格帯から大きく下に外れている見積もりを見つけたら、上の5点を1つずつ確認してみてください。
疑わしい見積もりが来たときの実践ステップ
- その場で契約せず、上の5つの罠のどれに当てはまりそうか照らし合わせる
- 他社にも同じ条件(面積・塗料グレード・工程)で相見積もりを取り、金額差の理由を双方に聞く
- 契約書・見積書に、使用する塗料の商品名と使用量、工程(下塗り・中塗り・上塗り)を明記してもらう
- 判断に迷ったら、その場で決めず家族や信頼できる第三者に見せてから決める
すでに契約してしまった場合
契約直後であれば、条件によってはクーリングオフができる場合があります。クーリングオフの手順を確認してください。
すでに工事が終わっていて不具合が心配な場合は、保証書の内容を確認しましょう。
まとめ
- 安さの理由は5つ:希釈しすぎ/工程の省略/足場/一式表記/塗料の差し替え
- ただし自社施工・営業経費の少なさによる「正当な安さ」もある
- 「なぜ安いのか」を説明できる業者かどうかが分かれ目
出典
- 価格差の実態(10万円以上97%・50万円以上55.6%): Speee(ヌリカエ)調査
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