外壁を触ると白い粉がつく — チョーキングは「すぐ工事」のサインではありません

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外壁を触ると白い粉がつく — チョーキングは「すぐ工事」のサインではありません

外壁を手でなでたとき、指に白い粉がついた。これはチョーキング(白亜化)と呼ばれる現象です。

検索すると「劣化のサイン」「早めの塗り替えを」と書かれています。それ自体は間違いではありません。

ただ、チョーキングが出た=いますぐ工事、ではありません。

この違いを知らないまま業者に電話すると、必要のない工事を急がされることがあります。

このページでは、何が起きているのか、どのくらい急ぐべきか、そして判断を先延ばしにしてよい場合を書きます。

白い粉の正体は、塗料の「顔料」です

塗料は、色をつける顔料と、それを壁に固定する樹脂でできています。

紫外線と雨に何年もさらされると、樹脂のほうが先に分解されていきます。

すると顔料を抱えきれなくなり、粉になって表面に浮いてくる。これが白い粉の正体です。

つまりチョーキングは、塗膜が寿命に近づいたことを示す、いちばん分かりやすい合図です。

カビや汚れとは違い、洗っても消えません。

福岡の日差しと雨を、数字で見ると

チョーキングを進めるのは、日差しと雨です。気象庁の平年値(1991〜2020年)で、福岡の1年を見てみます。

月日照時間日射量(1日あたり)降水量
1月104.1時間7.4 MJ/㎡74.4mm
2月123.5時間10.3 MJ/㎡69.8mm
3月161.2時間13.5 MJ/㎡103.7mm
4月188.1時間16.9 MJ/㎡118.2mm
5月204.1時間18.4 MJ/㎡133.7mm
6月145.2時間16.1 MJ/㎡249.6mm
7月172.2時間16.8 MJ/㎡299.1mm
8月200.9時間17.5 MJ/㎡210.0mm
9月164.7時間14.5 MJ/㎡175.1mm
10月175.9時間12.6 MJ/㎡94.5mm
11月137.3時間9.1 MJ/㎡91.4mm
12月112.2時間7.0 MJ/㎡67.5mm
1年1,889.4時間13.3 MJ/㎡1,686.9mm
福岡(福岡管区気象台)の平年値。日射量は1日あたりの全天日射量の月平均で、紫外線だけでなく日差し全体の量です。

東京と比べると、日照時間は1年で1,889.4時間と東京(1,926.7時間)より少し短い一方、日射量は1日あたり13.3 MJ/㎡で東京(12.7 MJ/㎡)より5%ほど多くなっています。雨は1年で1,686.9mm(東京 1,598.2mm)で、そのおよそ3分の1が6月と7月に降ります。

日差しがいちばん強いのは、梅雨入り前の5月と、梅雨明け後の8月です。同じ家でも、日がよく当たる面と当たりにくい面で進み方が違うことがあるので、確かめるときは1面だけでなく、何面か触ってみてください。

出典:気象庁「過去の気象データ検索(福岡の平年値)」「同(東京の平年値)」

どのくらい急ぐべきか — 3段階で考える

チョーキングそのものは、雨漏りを起こす症状ではありません。

急ぐかどうかは、ほかの症状と一緒に出ているかで決まります。

【急がなくてよい】チョーキングだけが出ている 指にうっすら粉がつく程度で、ひび割れも目地の傷みもない。

この段階なら、次の春や秋まで待って、落ち着いて相見積もりを取れます。

塗り替えを検討し始める入口、という理解で十分です。

【1年以内に検討】チョーキング+目地の痩せ・ひび割れ シーリング(目地のゴム)にすき間や割れがある、

外壁に0.3mm以上のひび割れがある。ここから雨水が入り始めます。1年以内に見てもらってください。

【早めに相談】チョーキング+塗膜の膨れ・剥がれ 塗膜が浮いている、めくれている。

すでに壁材が水を吸っている可能性があります。

塗装だけで済まないこともあるので、下地の状態から見てもらってください。

自分で確かめる方法

道具はいりません。

  1. 乾いた日に確かめる。雨上がりは粉が流れて出ないことがあります
  2. 手のひらではなく、黒っぽい布や紙でなでる。白い粉は暗い色の上でよく見えます
  3. 南面と西面から確かめる。日当たりが強い面から先に進みます。北面がきれいでも安心材料にはなりません

粉が「うっすら」なのか「はっきり手が白くなる」のかで、進み具合が変わります。

写真を撮っておくと、業者に説明するときに役立ちます。

訪問販売が、いちばん使う言葉です

「壁を触ると粉がつきますよね。もう限界です」

これは訪問販売でよく使われる入口の言葉です。事実として粉は出ているので、言われた側は否定できません。

そこから「今日契約なら足場代サービス」へつながっていきます。

くり返しますが、チョーキングだけなら急ぐ症状ではありません。

その場で契約せず、「息子(娘)に相談してから決めます」で切ってください。

  • 福岡市消費生活センター 092-781-0999
  • 消費者ホットライン 188

(→ 点検商法への対処・点検商法への対処/クーリング・オフの手順・クーリングオフの手順)

次に塗るとき、チョーキングを起きにくくできます

塗り替えのときに塗料を選び直すことで、次までの期間を延ばせます。

  • ラジカル塗料は、チョーキングの原因になる反応を抑えるように作られた塗料です。シリコンからの価格の上がり幅が小さく、耐用年数は12〜16年
  • フッ素(15〜20年)・無機(18〜23年)はさらに長くもちますが、1回の金額は上がります

30坪の家で30年住む場合、

塗り替えの回数そのものが減るため、高い塗料のほうが総額は安くなる計算になります(→ 塗料グレード比較)。

ただし、10年以内に建て替えや売却の予定があるなら、シリコンで十分です。

よくある質問

Q. 粉がつくのを、洗って落とせませんか? 落ちません。表面を洗っても、下から同じ状態の塗膜が出てきます。

高圧洗浄は塗装の前工程であって、それ自体が解決にはなりません。

Q. 築何年くらいで出ますか? 塗料と日当たり次第ですが、シリコン塗料で10年前後が目安です。

新築から一度も塗っていない家は、外壁材そのものの傷みも一緒に見てもらってください(→ 築年数ガイド)。

Q. 一部の面だけ塗ることはできますか? 技術的には可能ですが、

足場は建物全体に組むため費用の効率は悪くなります。

足場代は30坪で8〜18万円かかり、これは塗る面積に関係なく発生します。

Q. チョーキングと一緒にひび割れも見つかりました。優先順位は? チョーキングだけなら急ぎませんが、

ひび割れが同時にある場合は幅を確認してください。

目安として0.3mmを超える、または一直線に伸びているひび割れがあれば、

チョーキングより優先して見てもらうサインです(→ ひび割れの危険度の見分け方)。

まとめ

  • 白い粉=塗膜の寿命が近いサイン。ただしそれだけなら急ぎではない
  • 目地の痩せ・ひび割れ・塗膜の剥がれと一緒に出ていたら、早めに見てもらう
  • 乾いた日に、黒い布で、南面から確認する
  • 「粉がついてますよね」は訪問販売の常套句。その場で契約しない
  • 次に塗るときはラジカル以上を検討。ただし住む年数で決める

福岡の塗装屋さんを、建設業許可の番号つきで比較できます。